カルバペネムとは?抗生物質が効かない耐性菌? [時事ニュース]
カルバペネム 問題になるのはなぜか
カルバペネム耐性腸内細菌は、抗生物質が効かないという恐ろしい細菌だ。
何も自然に、いきなり生まれたというわけではなく、人類 vs 細菌の壮大な「イタチごっこ」によって生まれてしまったのだ。
最近は、病気などをすると、お医者さんにいって、抗生物質をもらう。
その抗生物質は、病気の原因となっていると思われる菌に対して対抗するのだが、すべての菌を完全に殺せるわけではない。
生き残った菌の一部は抗生物質に対して「俺はやられなかったぜ!」と、スーパーサ○ヤ人の如く、さらに強くなって、投与された抗生物質に打ち勝てる状態で世に存在するようになる。
ただ、ヘンなはなし、その人の寿命が尽きるまで体内に存在し、外に出なければ問題はない。
ところが、さまざまな抗生物質への耐性を備えるた「耐性菌」が外に出て広まってしまうと、特定の抗生物質は無力化される状態で広まってしまい、強固になった細菌に勝てる抗生物質を開発するまで、効く薬がない状態になってしまう。
カルバペネム 特徴
では、カルバペネム耐性腸内細菌は、どのような特徴をもっているのだろうか。
通常、「耐性菌」が繁殖する場所は病院だ。健康な状態であれば抗生物質を投与する必要はないが、難病を抱えた人などが集まっている病院は「耐性菌」の温床となる。
実際、米国では年間約170万人が病院内感染して、9万9000人が死亡している。
その中でもカルバペネム耐性腸内細菌は、似たような耐性菌の致死率が約20%なのに対して、一度感染すると患者の致死率は50%にも達するという。
カルバペネム ほっておくとどうなるの?
抗生物質は、1つの病気に対して、1つの抗生物質があるわけではなく、化学構造で分類したり、作用から分類するなどして、10系統以上あるさまざまな材料からできている。
菌の性質によって、研究者が効果のありそうな抗生物質を組み合わせて、新たに見つかった悪い菌に効きそうな抗生物質を作成する。
ただ、抗生物質に対して菌にどんどん耐性ができてしまうと、組み合わせても効果がない抗生物質の原料が増えて行ってしまう。
本当に危険な状況は、現在あるどんな組み合わせにもすでに耐性ができてしまっている菌が出現することだ。
過去にも実際に、魔女狩りなどで有名な、14世紀のヨーロッパでペスト(黒死病)が起きたこともあり、1910年代末に全世界人口の約8%が死亡したともいわれるスペインかぜが蔓延したことがあった。
いくら医学が発達したといっても、いままで押さえていた菌が絶滅しないでちょっとでも生きていれば、強くなって過去に起きたような大量の死者を生む大惨事がまた起こらないともかぎらないのだ。
どうしたらいいの?
正直、大流行してしまったら、個人レベルで対応できることは少ない。
ただ言えるのは、病気がはやる時は風邪などもそうだが、基本的に弱い人、子供、お年寄りなど、からはやり出す。
ルートとしては、
病院
↓
学校、老人ホーム
↓
その家族
↓
社会全体
といった感じだろうか。
あとは、特に子供に対して、うがい、手洗いを徹底することと、抗生物質をなるべく接種しないこと。
働いている人などは、風邪をひいたらマズいので、すぐに薬に頼りがちだ。薬に頼れば「症状を隠したり」「自分の代わりに菌を殺したり」することができるが、イコールそれは、自分自身の「菌に対しての免疫力」を低下させていることに他ならない。
人間とはとても良く出来ていて、体に悪いものが入ると白血球が働いてくれて、鼻水やくしゃみなどで悪い菌とともに体の外にだしてくれる。
もしも病気にかかってしまったら、若いうちは特に、治療しないととても悪化してしまう場合を除き、よく食べ、良く休み、自分の免疫力に任せるのがよいだろう。
昨今、抗菌、滅菌などを謳った日用品や潜在など数多く売っているが、人類はそのうち、いじめられた菌の逆襲により、大きなしっぺ返しをくらう日がくるかもしれない。
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